「医療用大麻」解禁へ:厚生労働省から”大麻取締法”改正の方向性

2022/09/29|Yahooニュース(FNNプラインオン)

【速報】医療用大麻、解禁へ 厚労省小委員会が方向性まとめる 大麻「使用罪」創設も

厚生労働省の大麻規制検討小委員会は、きょう午後、会合を開き、大麻取締法などの改正に向けた方向性を取りまとめた。

その中で、現在、国内で禁止されている大麻を原料とした医薬品について、有効性・安全性が確認され、薬機法に基づき承認されたものについては、輸入・製造、使用を可能とするよう、大麻取締法を改正する方向性が示された。

その上で、麻向法に基づく免許制度など、流通管理の仕組みを導入するよう求めている。一方で、「大麻を使用してよい」といった大麻乱用につながるような誤った認識が広がらないよう注意するべきとされた。

現行の大麻取締法では、大麻の「所持」は取り締まりの対象となっているものの、「使用」については罰則はない。この点については、若年層を中心に、大麻事件が増加している現状などを受けて、大麻の「使用」についても禁止し、法改改正して「使用罪」を創設することも盛り込まれた。


出典:大麻を正しく考える国民会議

医療と大麻

厚生労働省のホームページでは、「大麻は身体および精神に悪影響があります」とうたっています。
しかし、1948年にアメリカの占領政策によって大麻取締法が制定されるまでは、日本では大麻の成分を抽出した薬が喘息やアレルギー、痛み止めなどに効く漢方薬として市販されていました。
近年、大麻草の薬効は世界的なレベルでにわかに脚光を浴びてきています。

大麻草に含まれる薬効成分の総称を「カンナビノイド」といいます。
ギリシャやインド、中国などの古代医学では、紀元前から大麻の鎮痛作用を治療に利用してきました。
さらに、カンナビノイドの働きは近年徐々に明らかになってきており、今後、ガンや精神疾患治療などへの応用が期待されています。

英国では、自然の大麻から抽出したカンナビノイド系を成分とする医薬品「サティベックス」が承認され、2010年6月21日から販売が開始されました。
開発元のGWファーマシューティカルズの発表によれば、サティベックスの治験段階では多発性硬化症の患者の約半数にけいれんの症状の改善が見られたといいます。
そして2010年7月9日、大塚製薬株式会社とGWファーマシューティカルズは、中枢神経疾患およびガン領域におけるカンナビノイドの共同研究契約を締結しました。

その他大麻草の医療的研究に関する発表(一例)

  • 大麻に含まれる化合物が神経細胞の生成を促進するとの研究結果
    • ドイツ、ベルリン: ジャーナル 「Cell Communication and Signaling (細胞間情報伝達)」による発表
    • (2010年7月 1日)
  • 大麻は筋萎縮性側索硬化症(ルー・ゲーリック病)患者の余命を延ばす可能性がある
    • 「米国ホスピス・緩和医療ジャーナル(American Journal of Hospice & Palliative Medicine)」による発表
    •  (2010年5月20日)
  • 統合失調症の患者が大麻には主観的な効果があると訴えている
    • 「カナダ看護研究ジャーナル(Canadian Journal of Nursing Research)」による発表 
    • (2010年5月6日)
  • 大麻に含まれる化合物が口腔癌を抑制するとの研究結果
    • ニューヨーク州シラキュース: ジャーナル 「Pharmacology (薬理学)」による発表
    • (2010年6月24日)
  • 大麻の化合物が胆管癌の転移を抑制する
    • タイ、パトゥムタニ 学術雑誌 「Cancer Investigation (癌研究)」による発表
    •  (2010年5月6日)

ほかに大麻は、心的外傷後ストレス障害(PTSD)やADD(注意欠陥障害)、ADHD(注意欠陥行動障害)といった精神傷害や、緑内障、喘息、ガン患者の緩和ケアなど様々な医療分野での活用が期待されています。

現在の日本では、大麻取締法により、大麻の薬理成分であるTHCについては医療目的であっても使用・輸入・所持することは禁止されています。


関連過去記事

カナダから帰国したベンジャミンがマリファナについて語る

2018年3月1日
医療用大麻を栽培するカナダのキャノピー・グロースが、世界の製薬大手に挑もうとしている。同社は2016年後半、大麻に含まれる化学物質カンナビノイドをベースとする医薬品を製造し、特許を取得して政府から承認を得るため、キャノピー・ヘルス・イノベーションを設立した。
不安神経症から慢性痛、多発性硬化症や小児てんかんに至るまで、さまざまな疾患に対する大手治療薬との競合を目指す、こうしたベンチャー企業の数は、カナダではまだ多くはないが増えてきている。
医療大麻の新時代到来か 「大麻先進国」カナダ企業が薬品開発を加速

2015年3月3日
「医療大麻」への理解を求めるイベント「CANNABIS UNITE !~医療大麻ってなんだ?~」が21日、東京都渋谷区で開かれた。その中で、オーストラリアに居住し、自ら実践をしながら医療大麻現場の取材を続けるジャーナリストの磯貝久氏から驚くべきレポートが発表された。(中略)カンナビノイドには現在100種類以上の成分が発見されているが、それらすべての成分がトータルで相乗効果を発揮することによって難病をも治す力を発揮する。一部の成分が欠落している産業用大麻では、花の部分からカンナビノイドを抽出したとしても、サプリメント程度の価値しかなく、医療ではほとんど効果を期待できないという。
【医療大麻】難病治療、西洋医学と医療大麻の優劣の決着はもう付いている

2013年12月05日
ではなぜ、このマリファナ・大麻が他の薬物と一緒に100年も禁止されてきたのでしょうか? その理由は、大麻から良質な繊維と燃料が取れることと、第一次世界大戦後、アメリカではロックフェラーの勢力が、石油を使ったエネルギーと石油化学製品の台頭を狙っていたことから、それまで生活のすべてを賄ってきた大麻が邪魔になったことです。そしてもう1つの大きな理由が、大麻はあらゆる医薬品としての効能を持っていたことです。石油から作った医薬品を主流にするためには、大麻は徹底的に排除しておく必要があったのです。
アメリカが「大麻」を100年間使用禁止にしてきた理由

「大麻」に関する過去記事

https://hontougaitiban.seesaa.net/search?keyword=%E5%A4%A7%E9%BA%BB