石川県能登地方で地震 M6.5、震源地下12km/政府自身調査委員会「地震なぜ起きたか分からない」

「地震なぜ起きたか分からない」 政府調査委、警戒呼びかけ
記者会見する政府地震調査委の平田直委員長ら=6日午後、文科省
2023年5月6日|共同通信
石川県能登地方で5日に起きたマグニチュード(M)6.5の地震を巡り、政府の地震調査委員会(委員長・平田直東京大名誉教授)は6日、都内で臨時会合を開き「活動は当分続くと考えられる」との評価をまとめた。2020年末ごろからの群発地震の一つで、地下深くにある水(流体)の移動が関係しているとされる。平田氏は記者会見で「なぜこれほど大きな地震が起きたかは分からない。今後も注意してほしい」と呼びかけた。
 調査委によると、5日の地震は石川県珠洲市で最大加速度729ガルを観測するなど震源付近で強く揺れた。群発地震の震源は能登半島北端の陸域に集中していたが、M6.5が起きてからは北側の海域にも広がった。
 半島北側の海域にある活断層と群発地震との関連を疑う声も出ているが、平田氏は「今後の調査を見ないと分からない」と明言を避けた。
 地震調査委は4月、能登の地震について深さ20~30キロにあった水が徐々に上がっていくのに伴い、震源も徐々に浅くなっているとの見解を公表していた。出典:47News

出典:ウェザーニュース

国内:M6.5の地震で震度6強を観測

石川県能登地方の地震

5日(金)14時42分頃、石川県能登地方を震源とするマグニチュード6.5、深さ12kmと推定される地震が発生しました。この地震で石川県珠洲市で最大震度6強を観測。そのほか、能登町で震度5強、輪島市で震度5弱、新潟県上越市、長岡市、佐渡市、富山県高岡市、氷見市、石川県七尾市、金沢市、福井県あわら市、坂井市など広い範囲で震度4を観測しています。

国内で震度6強の揺れを観測するのは、去年3月16日の福島県沖の地震以来。石川県内に限定すると、2007年3月の「平成19年(2007年)能登半島地震」以来16年ぶりです。

地震のメカニズムは北西ー南東方向に圧力軸を持つ逆断層型と解析されています。能登地方で続く一連の地震活動と同じタイプでした。また、この地震では長周期地震動の予測の運用開始後、初めて緊急地震速報で発表され、実際に石川県能登では階級3が観測されています。

震源はこれまでより北に分布

石川県能登地方で発生したM5以上の地震(2021年以降)

マグニチュード6.5の地震以降は一時的に活動が活発になり、5日(金)21時58分頃にマグニチュード5.9、深さ14kmと推定される地震が起きています。体に感じる地震の回数は7日(日)朝までに70回以上発生しました。

2021年以降、今回の地震の前までにマグニチュード5以上の地震は3回起きていました。これまでの最大規模だった2022年6月19日のマグニチュード5.4でしたので、今回のマグニチュード6.5は40倍以上のエネルギーです。

また、5日(金)以降の活動は能登半島の北岸ギリギリから海域に震源が分布していて、これまでの活動域の中では北側の領域です。震源の位置の変化や拡大などがあるのか注視が必要となります。

能登半島の地震はメカニズムが不明な点が多く、今後の活動がどうなるかの見通しははっきりしません。珠洲市や能登町など震源域に近い地域では、引き続き強い揺れに対する備えを行ってください。

世界:日本以外ではM6以上の地震なし

世界のM4.5以上の地震(USGSホームページ引用/ウェザーニュース加工)

アメリカ地質調査所の解析によるマグニチュード6以上の地震は1回発生しました。最も大きなものは前述の石川県能登の地震です。

日本時間の1日(月)午前、イタリアの沖、ティレニア海を震源とするマグニチュード5.2、深さ約251kmと推定される地震が発生しました。

イタリアはアフリカプレートとユーラシアプレートの境界に位置していて、地震が多く発生します。深さが10km前後の浅い所で規模の大きな地震の起きることがあり、今回の震央に近い領域ではマグニチュード7クラスの地震が発生した記録があります。

ティレニア海の東部では今回と同じような深さ250km前後で、マグニチュード5クラスの地震もしばしば起きていて、もう少し西の海域では、深さ400km前後のさらに深い地震が発生しています。